オムライス専門店 神田たまごけん

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「神田たまごけん」コラム

飲食店開業をお考えの方へ
「withコロナ=常識」となる時代を見据えた計画を

休業要請に始まり、クラスターの脅威、風評被害など、外食産業はかつてない受難の時を迎えています。飲食店を経営されている方だけでなく、これから開業したいと考えていた方にとっても、本当に悩ましい時代に突入してしまいました。
それでも、人間にとって必要不可欠であり娯楽ともなる食の喜びそのものは、廃れることはありません。この荒波を乗り越え、時代を読み、本質を見極めた経営を志せば、そこには明るい未来が待っています。
いつでも気分転換や少しの贅沢ができる飲食店の本来の良さを考えながら、withコロナ時代の開業のあり方についてまとめました。

目次

1.新型コロナウイルスにより外食産業が受けた影響を振り返ってみた

1月〜2月:大規模イベントなどの自粛要請

外食産業でコロナが囁かれ出したのは1月の末頃から。2月に入るとディナーレストラン・居酒屋業態は、インバウンドや宴会需要の減少から、月の後半、特に政府から大規模イベントなどの自粛要請が行われた最終週以降は、客足が減少し売上への打撃が目立った。

参考:日本フードサービス協会加盟会員社による外食産業市場動向調査2020(令和2)年1月度 結果報告

参考:日本フードサービス協会加盟会員社による外食産業市場動向調査2020(令和2)年2月度 結果報告

3月:「週末の外出自粛」要請が出され一段と客足が落ちる

影響は次第に大きくなり始め、店内飲食の客数が繁華街立地、ディナー時間帯、土日祝日での減少が顕著で、居酒屋・ ディナーレストランなど飲酒業態を中心に、ファミリーレストラン、大型商業施設のフードコートなどの売り上げに大きな打撃。特に東京都から「週末の外出自粛」要請が出された3月下旬に一段と客足が落ち、3月の外食の全体売上は82.7%と東日本大震災の減少幅(前年 比89.7%)を上回る減少となる。

参考:日本フードサービス協会加盟会員社による外食産業市場動向調査2020(令和2)年3月度 結果報告

4月:「緊急事態宣言」全国へ。外食全体の売上は前年比60.4%

3月以上に大きく影響を受け、深刻な事態となる。「緊急事態宣言」が全国へと拡大され、外食店舗は全国的に営業時間の短縮を要請される(概ね営業時間は朝5時から夜8時まで、酒類の提供は夜7時まで)。休業する店舗も増加。営業を続ける店舗でも、外出自粛の中での時短営業により客数が大幅に減少。4月の外食全体の売上は前年比60.4%と、当調査(日本フードサービス協会加盟会員社による外食産業市場動向調査)開始以来最大の下げ幅となった。なかでもパブは前年比4.1%、居酒屋は9.7%と一桁台、またディナーレストランは16.0%、喫茶は27.6%とそれぞれ壊滅的な打撃を受けた。

参考:日本フードサービス協会加盟会員社による外食産業市場動向調査2020(令和2)年4月度 結果報告

5月:「緊急事態宣言」解除。テイクアウト強みは好調、飲酒業態など壊滅的

緊急事態宣言は5月14日に39県で解除されたものの、大阪圏は21日、東京圏は25日まで解除が延期されたことで、多くの外食店舗では営業時間の短縮や臨時休業が続いた。5月の外食全体の売上は前年比67.8%、業態間の明暗を分け、テイクアウトに強みのあるファーストフードではむしろ好調なところのある一方、持ち帰り対応に不向きな飲酒業態などは4月に続き、壊滅的な打撃を受けた。

参考:日本フードサービス協会加盟会員社による外食産業市場動向調査2020(令和2)年5月度 結果報告

6月:食事主体業態で回復兆し、一方「居酒屋・パブレストラン」の売上は前年の4割届かず

東京アラートの解除、全国的な県外移動自粛の解除に伴い、飲食店の営業時間制限も撤廃されたことから、店内飲食の客足が戻り始め、客数は底打ちの傾向が強まってきた。しかし、郊外・地方立地や食事主体業態で回復の兆しが比較的早く見えてきた一方、都心部・繁華街立地、飲酒業態などは回復が遅れるなど、業態によって大きな差がみられ、外食全体の売上は前年を大きく下回る78.1%となる。特に「居酒屋・パブレストラン」の売上は前年の4割に届かず、依然として壊滅的な状況が続いた。

参考:日本フードサービス協会加盟会員社による外食産業市場動向調査2020(令和2)年6月度 結果報告

外食の業態別売上高前年同月比の推移
引用:1,505人アンケートから見えてきた、これからの飲食店に求められるコトとは?

以上の経緯は一般社団法人日本フードサービス協会のニュース記事から引用してまとめています。7月度の結果報告はまだ更新されていませんが(2020.08.25現在)、現在もまだ、東京都や大阪など、一部の自治体において、独自に飲食店等に対する営業時間短縮や会食人数の制限等の要請が行われています。

2.これから開業するなら、withコロナで誕生したサービスにちょい足しや見極めが必要

テイクアウト、デリバリーどちらも取り入れるべき?SNS活用がこれまで以上に重要に。

自粛生活が始まったと同時に、徐々に需要が拡大していった中食ビジネス。テイクアウトやデリバリーのサービスを急遽取り入れ、価格設定や衛生管理など、その準備に追われる経営者も多かったと思われます。当初はただ必死に、状況打破のために取り入れたサービスですが、実際に成功した例はどれほどだったのでしょうか。

緊急事態宣言中「飲食店の通常営業だけでは売上が不安、ほかに何をするべきか」といった疑問に対して飲食店オーナーや消費者が答えたWebアンケートによると、まず、消費者側へ「飲食店の使いたいサービスはなんですか?」という問いに、1位「テイクアウト」2位「デリバリー」でツートップの結果が出ています。一見すると、この2つは事業成功の可能性があるように思えます

飲食店の使いたいサービスは何ですか?(消費者調査・MA)
引用:新型コロナで大変な飲食店へのご提案 459名調査に基づくマーケティング戦略

ところが、次の質問で、「新しい取り組みで成功したものは何ですか」という経営者側への問いには、テイクアウトもデリバリーも同様に需要があったわけではなく、テイクアウトが圧倒的に成功割合が多いという結果が出ています

新しい取り組みで成功したものは何ですか(消費者調査・MA)
引用:新型コロナで大変な飲食店へのご提案 459名調査に基づくマーケティング戦略

さらに、テイクアウト客をどこから連れてくるかという項目においては、これまで以上にSNSの活用が重要になってくることがわかります。

新しいテイクアウト飲食店を知る方法(消費者調査・MA)飲食店のSNSをどうやって知りましたか(消費者調査・MA)
引用:新型コロナで大変な飲食店へのご提案 459名調査に基づくマーケティング戦略

また、自粛解除後、これまでより重要になるものについては衛生管理、空気清浄・換気が上位を占めているものの、「大切なのは、変化するお客さんのニーズを捉えて、SNSなど活用して顧客名簿をつくり、適切な価値提供を続けることだろう」と締め括られています。

居酒屋での開業を諦め、ランチメインの飲食店を検討。本当に需要は安定する?

緊急事態宣言が解除された、5月27日~6月2日の一週間で「これからの飲食店は生活者からどんなことを求めるのか?」をテーマに実施されたアンケートでは、6月以降の飲食店利用の予測について質問しており、ランチ需要について分析しています。

新しいテイクアウト飲食店を知る方法(消費者調査・MA)
引用:1,505人アンケートから見えてきた、これからの飲食店に求められるコトとは?

今後増える可能性のある食シーンを質問しており、平日、休日共に昼食利用が増えるという回答が突出していました。「店内滞在を極力短いものにしつつ、外食を楽しみたい」といったニーズがあるようです。

引用:1,505人アンケートから見えてきた、これからの飲食店に求められるコトとは?

ランチ利用が伸びる背景には店内滞在時間を短くしたいという生活者のニーズがあり、回転率を上げたいお店側のニーズとも合致しやすいと思われます。提供時間が短く、食べる時間も短いメニューを強化することで回転率アップを狙えそうです。

雨風をしのげて通気も良く、日本の気候に合った日本人好みのテラス席を考える

国土交通省は新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、道路占用の許可基準を特例で緩和しました。店先の歩道を利用する場合、原則として幅2m以上(通行人が多い歩道は幅3.5m以上)の歩行空間を確保すれば、路上にテーブルなどの仮設施設を置いた営業が認められます。一定の要件を満たせば、施設付近の清掃を条件に2020年11月30日まで無償で占用できます。

参考:新型コロナウイルス感染症の影響に対応するための沿道飲食店等の路上利用に伴う道路占用の取扱いについて
引用:歩道のテラス席で飲食店の3密回避、新型コロナで占用基準緩和
引用:「歩道のテラス席」で密回避 宇都宮市が飲食店支援「気軽に利用を」

今後新しい生活様式を取り入れて、テラス席を増やした店舗をお考えの方も多いと思います。
しかし、外国人と違い室内席や個室を好む日本人、今はコロナだから仕方なくテラス席を利用しているけど、感染が落ち着いたら、やっぱり空調の効いた室内で食事したいという方がほとんどでは無いでしょうか?
開店当初はテラス席需要で満席だったけど、コロナが落ち着いたら逆に客足が途絶えたということにならないように、日本の気候や風土にあったテラス席を考えてみましょう。

例えば、

  • 暑さ対策として体感温度を下げるミスト発生装置を付ける
  • 思い切って、冬はテラスにこたつ席を配置する
  • 夏と冬だけテラス席利用者に特典を付ける(ドリンク1杯サービス、デザートのおまけなどでお得感を出す)
  • お洒落でフォトジェニックな外構デザインを取り入れ、そこで食事すること自体をSNSでシェアしてもらう

心地よさやお得感を出して、集客につなげましょう。

引用:オープンエアが心地良い、都内のテラス席がおすすめなレストラン
バーベキューやピクニックなどの開放感溢れる食事の楽しみ方は、アウトドアブームやガーデニングブームによって注目度は高まっています。
単なるテラス席ではなく、日本人にも受け入れやすいアイデアをプラスしてみましょう。

定番化していくサービスを見極める

“新しい生活様式”を取り入れた「非接触」によるサービス。キャッシュレスでの支払い方法は今やどの業界でも標準的に取り入れていく傾向です。決済以外でも、不動産業界でのVR(仮想現実)による内覧や、宅配業界で主流となりつつある「置き配」など、感染拡大の防止目的だけに止まらない利便性、合理性なども相待って、今後常識として定着していくサービスも生まれてくるでしょう。

飲食業界では今後テイクアウトやデリバリー中心にサービスを展開することが多くなります。ただその流れにのるだけではなく、そのサービスが今後本当に必要なのか考えながら取り入れていかなければなりません。
今までは受け入れられなかったような思い切った取り組みもでも、良いものであれば当たり前にして行けるチャンスでもあります。

常に最新情報に目を向け判断していくことが求められます。

飲食店の新型コロナウイルス対策。最新ニュースから「支援情報」まで

3.ゴーストレストラン、やどかりビジネス、メニュー導入などからヒントを得る

Withコロナでのデリバリー需要の高まりから今改めて注目を集めているのが「ゴーストレストラン」。飲食店開業をお考えの方ならこのような他の営業形態を視野に入れている方も多いと思います。

ゴーストレストランとは

実店舗を持たずにUberEatsや出前館などのフードデリバリーサービスを利用して商品を販売することから「ゴーストレストラン」と呼ばれており、複合型ブランドデリバリーとしてフランチャイズ展開している『TGALデリバリー』や、メディアでも多数取り上げられている『ゴーストキッチンズ』などが有名です。

資金面や今後の感染状況など先行きが不安な状況では賢い選択肢かもしれませんが、お店でお客様をお迎えしておもてなししたいと考えている方には向きません。そこで、もう一つ注目したいのがやどかりビジネスです。

やどかりビジネスとは

やどかりビジネスとは、家賃の支払いに不安を感じていたり、初期投資を抑えたいと考えている場合、元々ある店舗の一角を間借りしたり、空いている時間帯に使わせてもらうなどして開業するスタイル。“ヤドカリカレー”などと呼ばれる『淡路島カレー』が有名です。貸す側にとっても、デットスペースや閉店時間を有効活用できるメリットがあり、スーパの食料品売り場や美容室、パチンコ店など、飲食店に限らず様々な業界で活用されている方法です。

メニュー導入とは

やどかりビジネスとは少し異なりますが、飲食店オーナー自身が別業態を取り入れる方法として「メニュー導入」も話題です。
コロナ渦においては、大変な打撃を受けている居酒屋などお酒を提供する業態で、キッチンが空いている昼間に別業態のお弁当やランチメニューを提供するなどして凌いでいる経営者の方も多いかと思います。

開業前から視野に入れて計画的に

ゴーストレストランややどかりビジネス、メニュー導入などはそれぞれ方法は異なりますが、コロナで先行き不安定な状況でも好調なデリバリーやランチ需要を上手に活用する方法として、開業前から計画的に取り入れていくことをおすすめします

4.まとめ

以上のことから、飲食店の開業をお考えの方がおさえておくべきポイントをまとめました。

  • ディナーレストラン・居酒屋業態は、ランチ帯での別業態の検討や、ゴーストレストランも同時に検討すべき
  • テイクアウトを中心に、これからの需要を見極めたサービスを準備する
  • 短時間で外食を満喫できるランチ需要に焦点を当てる
  • テラス席など新たな需要にはサービス継続していくための工夫を
  • 空き時間などの活用方法を開業前から視野に入れておく

“完全に元通りになるには1年はかかる””影響は今後2~3年は続くのではないか?”
“新たなウイルスや天変地異に襲われるかもしれない”。このような不安から望んでいた飲食店の開業を諦めかけている方も多いと思います。
しかし、この状況から学び、備えがある状態で開業するのであれば、例え同じ状況下におかれたとしても、影響は全く違ってきます。あらゆる角度から対策を講じて開業する場合、それはある意味強みともなります。ぜひ、諦めずに情報収集を続けてみてください。

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Withコロナ時代に強い条件が揃っています。

ファーストフード型でランチ需要あり
テイクアウトやデリバリー売上比率が高い
老若男女、幅広い層に好まれるメニュー
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