ラーメンチェーン幸楽苑、52店舗閉鎖へ(TBS系(JNN)) – Yahoo!ニュース https://t.co/jdprEJsRkt @YahooNewsTopics
この前初めて近所にある幸楽苑行ってきたけど、また次も来ようかなってならんかったもんなぁ…— 烏丸陸奥守(からすまむつのかみ) (@mizukichi2010) 2017年11月11日
2017年11月10日、昭和29年創業の「幸楽苑」が52店舗の閉鎖を発表しました。同店は、不採算店の一部を先頃フランチャイズチェーン契約を結んだ「いきなり!ステーキ」へ転換。なぜ幸楽苑はここまで追い詰められてしまったのでしょうか。
引用元:ラーメンの幸楽苑が52店閉鎖へ。日高屋とどこで明暗が分かれたか?
“ハイデイ日高の17年2月期決算は、売上高が前年比4.7%増の385億円、営業利益は5.3%増の45億円、純利益は5.7%増の29億円です。(中略)一方、同年度(16年度)の幸楽苑HD(17年3月期)の売上高は前年比1.0%減の378億円、営業利益は83.1%減の1億4,700万円、再び食材や人件費などが高騰し、利益を圧迫するようになったため再び「あっさり中華そば※一部店舗を除く」を390円(税抜き)です。”
引用元:ラーメンの幸楽苑が52店閉鎖へ。日高屋とどこで明暗が分かれたか?
ラーメンチェーン日高屋(ハイディ日高)との売上推移を比較すると、幸楽苑は停滞状態なのに比べ、日高屋の業績は好調に推移しています。
引用元:ラーメンの幸楽苑が52店閉鎖へ。日高屋とどこで明暗が分かれたか?
売上高ではさほど差のなかった両社ですが2016年、日高屋(ハイディ日高)が純利益率7.9%に対し、幸楽苑HDの純利益率はわずか0.4%でした。
参考サイト:まぐまぐニュース
公表も遅いし捏造してるし悪意に満ちた対応だな。会見の一つぐらい開けないのか?指入りラーメン出す店なんて行けないよな//幸楽苑、混入異物を「指先」と認める 本社、店が届けた「現物」を確認せず https://t.co/QJP1zmyGCy @jcast_newsから
— ki (@888moko) 2016年10月17日
“16年9月8日に静岡市内の店舗でパートの女性従業員がチャーシューを仕込んでいた際にスライサーで親指に怪我を負い、9月10日に提供した「お子様セット」に爪の付いた指先が混入していた”
引用元:幸楽苑、混入異物を「指先」と認める 本社、店が届けた「現物」を確認せず
事件内容もさることながら、その後の対応についても不満の声が上がっていました。
当初390円(税抜き)で販売していた看板メニューの「中華そば」。
06年に競争が激化したことにより290円(税抜き)で販売するように。
再び食材や人件費などが高騰し、利益を圧迫するようになったため再び「あっさり中華そば※一部店舗を除く」を390円(税抜き)としました。
その結果、幸楽苑のラーメンは安いのか高いのかがよくわからない、というイメージが定着し、幸楽苑の強みである“安さ”が弱まってしまったことが原因の1つであると考えられます。
参考サイト:まぐまぐニュース
引用元:日高屋の戦略(出所:ハイデイ日高公式Webサイト)
2018年当社調べ
幸楽苑が地方にお店を多く出店しているのに対し、日高屋は直営店舗のうち95%が駅前繁華街に立地しており1都5県の駅前一等地に集中出店するドミナント戦略を採用しています。さらにターゲット層であるサラリーマンが毎日通っても飽きのこないメニュー展開をしており『ちょい飲みニーズ・食事ニーズ』に対応していることが分かります。いずれも綿密な戦略に基いており、ニーズ調査を徹底して行っていることが伺えます。幸楽苑もファミリー層をターゲットにデザートやお子様メニューを充実させていますが、大手チェーン店であっても競合の多いラーメン業界では撤退に追い込まれてしまうことが容易に起こりうることが分かります。
参考サイト:ITmedia ビジネスオンライン
徹底調査された戦略に基づき事業展開している信頼のおけるフランチャイズであっても、ラーメン業界という点で高いリスクがつきまといます。フランチャイズならではのリスク、ラーメン業界のリスクを見ていきましょう。
もう行かない。
保健所はこの2日間に他の客に提供された分にも影響した恐れがあるとして、幸楽苑側に報道発表するよう求めたが、応じなかった。
ラーメン指混入 2日前に切断 – Y!ニュース https://t.co/tkFwtOkHAu— 精米所んとこの孫@上福島 (@Dora_9) 2016年10月15日
“当時、この事件は大きく報道され幸楽苑のブランドイメージは大きく損なわれてしまった。”
“ブラック企業のレッテルを貼られたことも少なからず影響していると指摘する”
引用元:ワタミのイメージが失墜 ブランド名を出さずに出店するケースが増える
「フランチャイズ」は、加盟するフランチャイズ本部のブランド力を活用したビジネスです。フランチャイズでラーメン屋をスタートさせたとしても、ブランドイメージが損なわれれば自身の努力とは関係の無いところで業績悪化につながってしまうことも。
SNSの影響により加盟店の従業員がソーシャルメディアに不適切な投稿をして炎上をするなどのケースが起こりうる昨今、店舗を多く持つフランチャイズほどブランドイメージ低下のリスクも大きいと言えるでしょう。
“「フランチャイズ」は、ブランドイメージを保ち、経営を効率させるため、経営方針や仕入先企業を限定するなど、一定の制限を設けているのが一般的です。
自分で自由に、好きなように店の経営をしたい方にとっては、どうしても自由度が低くなります。この点は、大きなデメリットといえます。”
引用元:フランチャイズ加入は「リスク」に注意!対策を弁護士が解説!
フランチャイズで経営している人たちは、自分たちの立場十分わかってますよ。契約書に判子を押したのは紛れもなく自分だということも、よく分かっています。でも、それでも本当に苦しいんです。「手のひらを返したような」、という言葉が当てはまるくらい、本部との間に急速に溝が深まっていくんです。
— mica_red (@mica_red) 2014年8月19日
“半年経ち、一年を過ぎた頃になるとあなたはラーメン業界についていろいろと感じるようになってきます。(中略)ロイヤリティが高いのではないか。または開業の際の内装費が高かったのではないか。…などなど。ときを同じくして売上げが横這いになり今までの最低記録を更新したりします。(中略)たまに訪れる本部のスーパーバイザーに相談します。返ってくる返事は「まだ一年じゃないですか。まだまだこれからですよ。それにもっと自分で考えて工夫、努力をしないと…」”
“オープンまではいろいろやってくれても、オープン後はめっきりサポートが減り、結局は自分で何とかしなければならないのが通常です。サポート体制の充実度というのは、実態はあまり役に立たないなぁというのが私の印象です。”
引用元:「本部だけ儲かる」の嘘と本当。本音で語るフランチャイズ起業の真実=午堂登紀雄
Aさん(加盟店)は、麺の原材料について「D県産のを使用している」と謳うよう本部から説明を受けました。Aさんは本部の指示通り、メニューに表記し、お客さんや取材に対しても同様に「麺はD県産のものだ」と説明しました。
しかしその後、麺の原材料がD県産のものでは無かったことが発覚。
Aさんと本部は口論になりました。
また本部は、チェーン店の移転を決めた際、Aさんに対し移転先の住所やオープン時期など一切の説明をしませんでした。
Aさんと本部はまた口論になりました。
Aさんは、本部の信頼に欠ける振る舞いに腹をたて、ロイヤリティ30万円×6ヶ月分の支払いをしませんでした。
その結果、本部はAさんにフランチャイズ解約の裁判を起こしたのです。
結果は・・・本部の勝訴に終わり、Aさんはフランチャイズ解約とともに損害賠償500万円の支払いを命じられました。
なぜなら、Aさんがフランチャイズ契約を結んだ契約書には『加盟店が契約の各条項に違反した場合には、損害賠償金として500万円を本部に支払う』といった旨の条項があったのです。
裁判所は「本部の一連の振る舞いは、フランチャイザーの態度として到底容認できないものであり、あるべき態度からかけ離れたもので加盟店の信頼を著しく損なう」としながらも「本部が行ったフランチャイズ契約の解除も有効である」とし、Aさんはフランチャイズ解約とともに損害賠償500万円の支払いを命じられました。
参照元:フランチャイズ契約における損害賠償額の予定(平成19年7月19日福岡高裁判決)
仕事時間や休日は収入(売上)と大きく関係してきます。収入が低ければ仕事時間を増やさなければならず、休日も無くなることも。体力的に厳しいラーメン屋(後述)の場合、体を壊していまいかねません。
そこで運営本部にサポートをお願いしますが、解決策がほとんどない場合も。独自で策を考えて新しくプロモーションしたり、新商品を扱いたいところですがフランチャイズに加盟していると自由にビジネスができないケースがほとんどと言われています。
また、裁判に発展した事例によると明らかに本部の対応に原因があったとしても、契約を守らなければ損害賠償を支払わなければならないのも大きなリスクです。
また家系か・・・。うちの近所、バイクで10分圏内に4軒も家系ラーメンがあって、先日5軒目がオープンした(笑)。いずれ潰し合うんじゃないの。 — 牛丼チェーン「らんぷ亭」がひっそり完全消滅 家系ラーメンに転換している http://t.co/gmTcWJZ4E8
— 豪腕はりー (@gouwanharry) 2015年8月12日
“事前に自社で複数の店舗を出すことで、参入が起きた場合の利益を減らし、参入自体を抑制できる。”
引用元:フランチャイズの問題点
“同じ商圏内や隣接立地に同一ブランド・フランチャイズの店舗が出店し売上を2分したり、同一企業が経営する類似の業態店舗が相互に顧客を奪い合うような場合に、カニバリゼーションが起こるという。”
“店作ることそのものには大したコストがかからない。加盟金その他でプラスが出る状況で、次から次へと店作って、ダメな店は淘汰して、ってやりかたはまちがってない。スクラップ&ビルドだわね。”
引用元:フランチャイズの問題点
ドミナント戦略のメリット
以上の利点が挙げられ日高屋も採用した戦略です。しかし、これはフランチャイザーにとっての利点が大きく、共食いの結果、同一フランチャイズに潰されてしまうことも。
多店舗展開しているフランチャイズによく見られます。
ただでさえ競合が多いラーメン業異界(後述)において同一フランチャイズまで競合になってしまうことも考えられるのです。
近所にあった大好きなラーメン屋さんが潰れた…。徒歩圏内の好きなラーメン屋さんが潰れるの、ここ一年の間にこれで4軒目。泣きそう。
— kumi (@popolilyranmon) 2018年4月25日
飲食店の出店開業支援サイト「飲食店.COM」が発表した「閉店した飲食店の業態と営業年数の調査結果」によると、開店したラーメン店の約4割が1年以内に閉店。3年以内には3割も閉店しているようです。つまり開店して3年以内に7割の店舗が閉店していることになります。
参考元:閉店したラーメン店、4割がオープンから1年以内に営業終了。飲食店で閉店しやすい業態とは?
“いまやラーメン業界は年間に1000軒がオープンして同じ数の店がつぶれるといわれる激戦。小野氏によると、「ラーメン屋でもやってみようか」と軽い気持ちで開店する人が増えているのが原因”
引用元:「光麺」破産で鮮明に ラーメン業界チェーンは受難の時代
引用元:SPEEDA総研
ラーメン屋だけでなく、ラーメンを提供している店舗は54,310軒とされ、コンビニやドラッグストアより多いことが分かります。仏教系宗教を店舗としてカウントしない場合、ラーメンを提供している店舗は3番目に多く、非常に競合が多いことが分かります。
〈主な業種における平均的な必要人員数〉
引用元:第102回 フランチャイズ事業における人材の確保
ラーメン屋を回転させるのに必要な人員は5〜10人と言われていますが、それだけの人員を簡単に確保出来るのでしょうか?
“ラーメン店「(求職者が)簡単に来ることはなくなっている。」
ステーキ店「奪い合いというか、そのような現状になっている。」”
引用元:シリーズ 人手不足ショック① 見直し迫られる企業の戦略
昨今、業種を問わず深刻な人手不足であり地域によってはアルバイトが集まらない事もあるようです。
引用元:スタディサプリ進路
高校生のやってみたいアルバイトランキングでは飲食店分野でカフェ・喫茶店が人気。女子高生・男子高生共にベスト3にランクインしています。理由は以下の通り。
“「落ちついた空間で働けるし、色んな人と触れあえる」(17歳・男性)
「おしゃれだし、まかないがおいしそうだから」(18歳・男性)
「コーヒーの入れ方など将来役に立ちそう」(18歳・男性)
「コーヒーの香りに癒やされながら仕事ができそう。おしゃれな雰囲気の中で働いてみたい」(18歳・女性)
「コーヒーの匂いが好き。店員さんのステキな対応に憧れる」(17歳・女性)”
引用元:スタディサプリ進路
『おしゃれ』『落ち着きたい』といった声が目立ちます。
株式会社アルトが、2015年に学生を対象に“ブラックバイト”とは対照の、“ホワイトバイト”に求める条件について調査した結果、“体力的に楽なこと”と回答した人が30%近くも居ました。肉体労働をしたくない若者が多い傾向にあり、ラーメン屋は選ばれにくい傾向にあると考えられます。
“ちょっと体育会系っぽくて怖いとこもあるけど、でもみんな基本的にはさっぱりしていていい人が多いです。”
“臭いし、暑いし、忙しくて疲れるし、たまに火傷するし。でも何だかんだ続いてるのは人間関係と時給が高いところなのかな。”
引用元:ラーメン屋でバイトした時の良かったこと辛いことまとめ。
“働いて一週間‥‥‥もう辞めたいです”
“サウナ状態に加え、豚骨や味噌の濃厚な匂いが立ち込めていますから、体調が悪い時など一発で倒れてしまいます。”
“洗い物をしていると、いくらクリームを塗っても、手がガサガサになるんで、女子としてはキツかった”
引用元:色々なバイトのきついところ
“ラーメン屋のバイトを辞めようと思ったのは、普通の立ち仕事よりもハードできつかったからです。加えて、職場のメンバーも短気な人が多く、忙しくなってくると、みんな自分の事しか考えていません。”
引用元:バイトを辞めたい方の相談所
ラーメン屋でのアルバイト経験者の声を調査すると『やめたい』『きつい』といった声が目立ちます。
新たにアルバイトを始めようとする人は『体力的に楽な仕事がしたい』『おしゃれなところで働きたい』ことを優先的に挙げており、経験者は体力的にハードなことを辞める原因に挙げていることからラーメン屋が人材確保することは厳しい現状と言えます。
引用元:本気のラーメン店開業バイブル
“人手不足に悩む飲食業界。労働人口が減ったとはいえ、本当に問題はそれだけだろうか。はてな匿名ダイアリーには3月16日、「朝まで開店してるラーメン屋死ね。店長だけどもう死ぬかも」と訴える書き込みがあり注目が集まった。投稿者は、24時間365日営業のラーメンチェーンの店長で、「今日は40日ぶりの1日休みだ死ね」というから異常なブラック環境で働く人である。「政府は朝まで開店してるラーメン屋に制限をかけてくれ。もう限界だ」と切実に訴えていた。”
引用:「店長だけどもう死ぬかも」朝までやってるラーメン屋問題 飲食業界の労働環境はいつになったら改善するのか
“「立ち仕事、重い物を持ったり、ひざの曲げ伸ばしをするものですから
ちょっと、ヒザにきちゃって、半月板損傷 と診断されて、
湿布は毎日しています。毎日、だましだましやっている感じです 」”
“「元々、ヘルニアは持病であったんですけど、痛み止め飲んで、
無理やり仕事するのをずっと続けていたので、
気付いたら、もう歩くのも厳しいくらいになってしまったので、
店を辞めてしまった 」”
引用元:ラーメン屋開業で後悔 ~ 大後悔時代
体力勝負のラーメン屋ですが、アルバイトが集まらないことや、フランチャイザーの協力が得られないなどの理由から過労に追い込まれることも少なくありません。一度体を壊してしまうとなかなか復帰も難しく閉店せざるを得ないことも。
『フランチャイズで開業するからリスクが少ない』という訳ではなく、ラーメン業界で開業すること自体が大変厳しいのが現状のようです。